トップページ > 知っ得コラム > 2015年 5月号

知っ得コラム

知っ得コラム

2015年 5月号

加齢と歯の健康

佐久総合病院名誉院長 松島松翠

 年を取っている方に多い歯の病気には「歯周病」と「虫歯」の2つがあり、これにかからないようにすることが、歯の健康を保つために最も大事なことです。
 歯周病が進行すると、歯の土台となる歯槽骨が破壊されてしまい、その結果、歯が抜け落ちてしまうことになります。
 歯が抜けるのを防ぐためには、まず歯周病を見逃さないことが大事です。赤信号の症状としては、「歯茎が赤く腫れ、触ると血が出る」「歯がグラグラして食べ物をかみ切れない」「歯と歯の間の隙間が広がってきた」「歯が以前より長くなったような気がする」などがあります。このような症状があったら、すぐ歯科を受診してください。
 歯周病は増えた歯周病菌や炎症物質が口の中で唾液に混じり、病気につながる恐れがあります。誤って気管に入ってしまうこと(誤嚥・ごえん)もあり、気管支炎、肺炎を起こします。
 一方、高齢者の虫歯は「かぶせ物などの境目」と「露出した歯の根元」に起きやすいのが特徴です。また高齢になると唾液の分泌量が減少し、口腔(こうくう)内の洗浄作用が減って、虫歯菌が繁殖しやすくなることも虫歯を起こしやすい原因の一つです。
 虫歯にしても歯周病にしても、歯を失う原因になるということだけにとどまらず、心臓病や脳卒中、糖尿病、肺炎などの全身の病気の原因や悪化の原因になるということです。健康で長生きするためには、虫歯や歯周病の予防が基本ですが、それには毎食後の正しい歯磨きや口の中を清潔に保つための「口腔ケア」をきちんと実行することが大事だといえます。

ページの先頭へ