渇水による農作物への影響が深刻化する中、JA鳥取中央は倉吉市の同栄神社で、雨乞いを行いました。特産の青梨「ハウス二十世紀」は、玉太りが遅れ、大渇水が産地を襲った1994年以来の小ぶりとなっています。一部地域では、水稲も枯れ上がるなど被害は拡大。恵みの雨を求めて、JAでは雨乞いの実施に至りました。

神事では、同JAの戸田勲常務と、生産者の藤井憲人さんが玉串を捧げ、神事の後には、水くみにあえぐ農民が雨乞いを祈願して打ち鳴らしたと伝えられている「北条砂丘太鼓」の演奏を奉納。

 

農家の祈りとともに太鼓の響きが空に響いていました。

 

藤井さんは「梨の糖度は高いが、量が取れないと販売額は減少をまぬがれない」と話します。管内梨生産部の連絡協議会の副会長を務める藤井さんは、「樹体へのダメージが大きく、翌年の収穫量に響きかねない」と心配の声も漏らしていました。

7月24日に開いた、JA全農とっとりの査定会では、高温と干ばつで1玉当たりの重量が記録が残る過去15年間の中で最小を記録。このままでは露地栽培や他品種でも小ぶりになると懸念されます。水稲では、すでに一部で稲が枯れ収穫が見込めないほ場も出てきています。

雨乞いを提案した河野寿一参事は「今日の神事が水不足に苦しむ人、作物、家畜にとって良い結果とつながることを願っています」と祈るような口調で話しました。