鳥取県中部総合事務所とJA鳥取中央は12月9日、北栄町の園芸試験場で農業用ハウスの雪害対策研修会を開きました。中部管内のハウス園芸農家や新規就農者、行政、JA担当職員など約20人が参加。座学と実演で、ハウスの積雪対策や降雪後の対処方法を学びました。

近年降雪により農業用ハウスが甚大な被害を受けており、JA鳥取中央管内では昨年、降雪により62戸のハウスが被害に遭い、被害総額は約1億1700万円でした。

講義では、県内の積雪による被災事例から、設置年数20年以上経過や、アーチパイプ径が25ミリ以下は重点的な補強が必要と指摘。また急激な積雪による対応の遅れがハウス倒壊につながると話し、降雪期までに準備することを呼びかけました。

事前準備としては、
①豪雪時応急補強用の支柱、筋交などを予め利用しやすい場所に整頓補完する
②屋根フィルムにある雪の落下の妨げになる防風ネットや遮光ネットは外す
③加温設備がある場合は作動、残湯量などの確認を行っておく
ことなどがあります。

その後、園芸試験場内のハウス内の実演では、T型タイバーやつきあげ棒を使った補強方法や、腐食したアーチパイプの地際部分に補強用パイプを取り付け強度を上げる方法をレクチャーしました。

参加した同町のスイカ生産者は「設置して30年以上のハウスを持っているので準備に取り掛かりたい。特に腐りかけたパイプの補強方法がためになった」と話しました。